玄関の「角」に宿る大工の技術。美しい仕上がりを支える「須弥留め」とは?
家に入るとき、玄関の木の「角」をじっくり見たことはありますか?
普段は何気なく通り過ぎてしまう場所ですが、実はこの小さな部分にも、大工の技術と手間が詰まっています。
今回は、森本工務店の現場で行われた、木材の「角」の納め方をご紹介します。

木材の「角」は、どうやってつながっている?
木材と木材が直角に交わる部分。
ただ2つの木材を合わせるだけなら、もっと簡単に納める方法もあります。
しかし、その方法によっては木材の切断面(木口)や継ぎ目が目立ち、仕上がりの印象が変わってきます。
特に、木の表情を大切にする住まいでは、こうした細かな部分の納まりも大切です。
そこで今回採用したのが、「須弥留め(しゅみどめ)」と呼ばれる伝統的な木材の組み方です。
完成すると見えなくなる部分にこそ、技術がある


こちらは、木材を組み合わせる前の様子です。
表から見ると、木材同士が斜めにぴったり合わさった、すっきりとした角。
しかし、その内側では、木材に細かな加工が施されています。
木材をただ斜めに切って合わせるのではなく、組み合わせる部分の形を加工し、納めていくのです。
完成してしまえば、こうした加工はほとんど見えません。
それでも、見えなくなる部分まで手間をかける。
そこに、大工の技術と仕事へのこだわりがあります。
「なんとなくきれい」は、こうして生まれる


こちらが、実際に納めた様子です。
木材の角がすっきりとつながり、自然な仕上がりになっています。
玄関に立ったとき、この部分を意識して見る方は少ないかもしれません。
けれど、木の納まりが整っていることで、空間全体にもすっきりとした印象が生まれます。
「なんとなくきれい」
「なんとなく心地いい」
そんな感覚は、実は一つひとつの細かな仕事の積み重ねから生まれているのかもしれません。
大工の技術は、暮らしの心地よさのために
森本工務店が大切にしているのは、ただ家を完成させることではありません。
住まい手が毎日目にし、触れながら暮らしていく家だからこそ、細部の仕上がりにも心を配りたいと考えています。
今回ご紹介した「須弥留め」も、そのひとつ。
家づくりの現場には、完成すると見えなくなる大工の仕事がたくさんあります。
その一つひとつが、住まいの美しさや心地よさにつながっています。
大工の技術は、暮らしの心地よさのために。
これからも、森本工務店の現場にある手仕事をご紹介していきます。