良い家を建てるために楔を打つ

 森本工務店の木材倉庫では、この秋上棟予定の新築現場の『虹梁(こうりょう)』丸太に『楔(くさび)』を打っています。

木材(杉)を芯までしっかり乾燥させるのが目的です。

『虹梁』とは上部が起(むく)ったカタチの横架材のことで、下の写真のよう上からの荷重を受けたり、本屋と庇(ひさし)をつなぐ役目を持っています。

  
下の写真は以前背割り部分に楔を打った時のものです。

 木材の乾燥方法には自然状態で乾燥させる『天然乾燥』と、装置を使って温度を上げ水分を抜く『人工乾燥』とあります。

どちらにも長所短所がありますが、木材にストレスを与えずに水分を抜いて行くには、やはり『天然乾燥』の方が良いですね。

特に『杉』は無理矢理乾燥させると、色艶、強度、粘りが無くなります。
ボクサーの減量と似てますね~

 この材料は良く日が当たって、風通しがよい場所に、雨ざらしで乾燥させました。

「雨ざらしだと乾燥しにくいのでは?」

と思われるかもしれませんが、適度な湿気があった方が綺麗に乾燥するみたいです。

 生の木だと、雨の水分(表面の水分)と一緒に木の水分(内側の水分)を蒸発させてくれるようですし、 杉の場合赤身の部分が綺麗に仕上がるようです。(森本春実談)

 木材を使うのに1年も2年もそれ以上も乾燥させたり手間をかけるのことは、 時代に逆行しているように思われるかもしれませんが、 50年以上使っていただくための大切な家ですから、 1年や2年の手間なんて短いと思いませんか?

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