家の仕上がりは、大工の「ひと手間」で決まる。
フローリングって大工さんがどうやって貼っていっているかご存じですか?
今日は、当社がフローリングを貼る際に行っている、ちょっと地味だけど重要なこだわりをご紹介します。
1. 「束」をバラすことから現場は始まる
通常、フローリング材は数枚がセットになった「束」の状態で現場に届きます。 多くの現場では、その束を解いて上から順番に貼っていきます。それが一番効率が良いからです。
しかし、当社の職人は まず、全ての束をバラして、並べることから始めます。
フローリングの種類によって様々ですが↓の現場で採用されたフローリングは長さがバラバラのタイプでした。
このように長さごとに並べて何が何枚あるか確認して大工さんが作業していました。


2. なぜ、わざわざ並べるのか?
理由は、「無垢材」の特性にあります。
色味とジョイントのバランスを整える 無垢材は天然のもの。何も考えずに貼ると、色が濃い部分だけが固まってムラができてしまう場合があります。部屋全体が美しいグラデーションになるよう、配置を吟味します。
並べてみると分かりやすいですがこんなに色の違いがあります。


ジョイント位置のバランスのこだわりについてはこちらの動画で解説↓
※ジョイントの並びに絶対の正解はありませんが、届いた順に機械的に貼るのと、大工が完成図をイメージして一枚ずつ向き合うのとでは、仕上がりの「空気感」が変わります。そのわずかな差を、私たちは大切にしたいと思っています。
「木裏」を見逃さない 木には表と裏(木表・木裏)があります。フローリング材の中には木裏がオモテ面になっているものも混じっています。木裏を上にして貼ってしまうと、乾燥した時に「そげ(ささくれ)」が立ちやすく、素足で歩くと危ないのです。

適材適所の「仕分け」をする
注文したフローリングの中に、木裏の板や節の強い板が混じっていることがあります。これは天然木である以上、避けては通れない「自然の証」でもあります。
私たちは、それらを単に「ハズレ」として扱うのではなく、大工の目利きで適材適所に振り分けます。
- 木表(きれいな面):リビングなど、家族が長く過ごし、素足で歩く場所に。
- 木裏や節の強い板:キッチンや洗面台の下など、家具で見えなくなる場所や、部屋の端でカットが必要な場所に。
材料を大切に使い切りながら、適材適所に「仕分ける」ことも、大工の腕の見せ所です。
*オレンジ色の部分が長さや幅をカットして使う部分



一度バラした板をパズルのように組み合わせ、「ここにはこの色を」「次は長い板を」と、貼り順を一枚ずつ吟味しているのです。

3. 「効率」よりも「10年後の満足」を
正直に言えば、この作業はめちゃくちゃ時間がかかります。 そのまま貼れば早いものを、わざわざ並べ替え、立ち上がって遠くから眺め、また一枚入れ替える…。
でも、この「ひと手間」を惜しまないことで、見た目の美しさはもちろん、数年経ってもトゲが立ちにくい、長く愛せる床になります。
「細部のこだわりが、そのひと手間が、家の仕上がりを決める」
もし、この「並べる」手間を省いて、届いた順番通りに機械的に貼ってしまったら……↓
