厳島神社の大鳥居へ行ってきました。
研修旅行で宮島に行きました。
潮が引いて厳島神社の大鳥居の近くまで行けたのでプチ知識を動画にしました!
(動画はこの記事の一番下に載せています。)
その内容をブログでもまとめておきます。
3年半の大規模改修でよみがえった姿と、その工事の全容を紹介します。
世界遺産・厳島神社といえば、海に浮かぶ大鳥居。
2022年12月、その大鳥居が約3年半にわたる大規模改修を終え、美しい姿でよみがえりました。
大規模改修で行われた主な工事内容
今回の工事では、大鳥居を長く守るための重要な修繕が多数行われました。
● シロアリによる腐朽部分の修繕
クスノキの主柱などに見つかった腐朽部分は、「埋め木」処理によって丁寧に補修。
内部を補いながら、木材としての強度をしっかり回復させています。
● 屋根材「桧皮葺(ひわだぶき)」の葺き替え
大鳥居の上部には、ヒノキの皮を重ねていく伝統工法「桧皮葺」が使われています。
今回、新しい皮に葺き替えられ、見た目の美しさだけでなく耐久性も向上しました。
● 朱塗りの塗装の塗り替え
厳島神社といえば鮮やかな朱色。この色を保つため、塗装の塗り直しが行われています。
海風にさらされる構造物だからこそ、定期的な塗り替えは欠かせません。
● 扁額(へんがく)の漆の塗り替え・新設
鳥居中央に掲げられている扁額も漆を塗り直し、新しいものが設置されました。
遠くからでも美しく際立つ存在です。
大鳥居を支える “木” の力
改修内容とともに、大鳥居そのものの構造や素材もとても興味深いポイントです。
● 主柱は「クスノキ」 樹齢500〜600年

大鳥居の中心となる2本の巨大な主柱には、クスノキの自然木が使われています。
クスノキは耐久性・耐水性・防虫性に優れ、水上建築に最適の木材。
数百年の時を経た木が、今も堂々と鳥居を支えています。
● 袖柱には「スギ」を使用

主柱を補う両側の袖柱にはスギが使われています。
木の性質に合わせた素材選びがされていることがよく分かります。
● 笠木と島木の内部には石がぎっしり

大鳥居の最上部にある「笠木」と、その下にある「島木」。
実はこれらは箱状になっていて、中には石が詰められています。
その重さは約60トン。
釘や基礎ではなく、“重さ”で自立しているというのは驚きです。
長い年月と丁寧な修繕によって受け継がれてきた、大鳥居の姿。
触れるたびに、その歴史と職人の技が感じられます。